「フィオルッチに行ってとても楽しかった。欲しいものが全てそこにある。全てプラスティックだ。」
アンディ・ウォーホルの言葉

プラスティック・コレクションは、イタリアのファッション・ブランドのフィオルッチからインスピレーションを受けました。東59番地に位置したコンセプトストアでは、1970年代の元気のよい楽観主義を、蛍光ファブリックやヒョウ柄のTシャツ、ケバケバしいロゴやスプレーのかかったストレッチデニムで具現化しました。女優のマーゴ・ヘミングウェイとマリサ・ベレン損は、フィオルッチのラベルの付いた金色のカウボーイブーツを身に着け、歌手のシェールはその輝くボディースーツに大金を支払いました。
ブランドの輝きの後ろで発揮されていたのは、一つのスタイルに留まらない流動的なストリートカルチャーの情熱的な主唱者であるエリオ・フィオルッチの手腕です。エリオは「ストリートは幻想的な驚きのパノラマであるべきだ」と述べています。

フィオルッチの店舗はファッションイラストレーターであるアントニオ・ロベスとイタリアの建築家エットレ・ソットサスによる、色違いを排除したインテリアによる革新的なウィンドウディスプレイが施されており、それは風通しの悪いNY5番街のファッションと好対照となりました。1983年にフィオリッチレーベルの15周年パーティーで、16歳のマドンナがスタジオ54で初めて公式の場に姿を現した時ほどに。

◆ カッティングテクニック
これまでのサスーンのカットシリーズ遺産をひっくり返すテクニックやリバースレイヤリングが使われています。各セクションの幅が内側および外側の両方に影響を及ぼしています。
薄い部分はねじりとなめらかな波状のスケッチされたような質感を与え、さらに幅を広くとったセクションカットはドラマチックなのこぎりの刃のような効果をカットの外周に与えています。
このテクニックはスタイルの外周とシェイプが断片的なラインにカットされることで劇的になるのです。

◆ カラーリングテクニック
今回の「プラスティック」は1970年代に最初にサスーンが使ったベールテクニックを称賛しています。ベールテクニックはヘアー全体にカラーパネルを拡散させ、同時にヘアラインに沿って見えない部分でカラーを再増殖させるテクニックです。ベールテクニックはプラスティック・コレクションのいたるところで、各パートを渡るように施される純粋な70年代的なフォームなどを含む、バラエティーに富んだ方法で使われています。大きなカラーパネルはヘアー上の自然なベールの内側に施されるか、または自然色のベース上に高光沢な色身を作り出します。このニュートラルなベールをヘアーの表面に走らせた代表的なテクニックは明るいトーンを外側のレイヤーの下に施すことで反転されました。

◆ カラーパレット
プラスティックのカラーパレットはファッションデザイナーのトム・フォードがグッチのクリエイターのディレクターだった頃の贅沢な足跡からインスピレーションを受けました。白亜のインディアンローズ、ピンクの黄昏色、赤らむヌードカラーはブラックダリアとホワイトオーキッドをベースにしたコーラル、スパイシーなハチミツ色、ベルベットバイオレット、プラムと混ぜ合わせて使われています。

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